Sainkho Namtchylakを聴いてくれ
トゥバ共和国の歌手、Sainkho Namtchylak(サインホ・ナムチラク)をおすすめさせてくれ。
Youtubeのリンクは一番下にあるから、文章は最悪読み飛ばしてくれな?
プロフィール
名前:Sainkho Namtchylak(サインホ・ナムチラク)
出身:トゥバ共和国(1957~)
音楽性:トゥバのトラッドをベースにしたフュージョン(エレクトロ?)
参加グループ:Tri-O、Sayani
まずトゥバ共和国ってどこだよ、って思いますよね。僕も思いました。トゥバは、モンゴルとの国境沿いにあるロシア連邦を構成する一国で、北海道の2倍くらいのデカさです。そんな場所にあるもんだから、テュルク系(新疆ウイグル、タタールスタン等)とモンゴル系(ブリヤート、カルムイク等)の2つの影響を強く受けた文化が育まれているみたいです、よく分かりませんね。
モンゴルといえばホーミーが有名ですが、トゥバでもホーメイ(フーメイ)と呼ばれ親しまれており、サインホもこのホーメイを使いこなす歌手の一人です。ホーメイはその原理上、倍音を多く含む男性の方が向いている歌唱法です。しかし、サインホは男性にも負けないエネルギッシュさ、シャーマニズム溢れる空気感を持っており、なんとも言えぬ『カリスマ性』を持った一流のミュージシャンであることは間違いないでしょう。
彼女のことを冒頭で「歌手」と書きましたが、「ボーカリスト」といった方がしっくりきますね。特に最初期なんかはアルバム丸ごとインプロで、鳥の鳴き声や呻き声などなど「声って可能性に溢れた楽器なんだなぁ」と改めて思わされます。結構人を選ぶ内容だとは思いますが・・・。
活動の拠点をトゥバからウィーンに移してからは楽曲の方向性が変わっていき、サンプリングやループなどを多用したテイストのものが増えてきます。ですがサインホのテクニックは勿論健在で、エレクトリックなサウンドとトラディショナルなアプローチが絶妙にマッチしています。暖かさや懐かしさのようなものを感じられる曲もあって、同じアジア人として通ずるものがあるのかなと思います。
Sainkho Namtchylakおすすめの一曲
『Order To Survive』
サインホのボイスパフォーマーとしての魅力が詰まった曲。空間を飛び交うようなサインホの声、めちゃめちゃスピリチュアルだ。このフリーリーな感じ、どことなく矢野顕子さんに近いものがありますよね。動画のラスト数十秒でやっている『Dance Of Eagle』という曲ではホーメイをバリバリ使ってるので、そっちも良ければググって聴いてみてください。